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 「あべのハルカス」(大阪市)は300m、「横浜ランドマークタワー」(横浜市)は296m、「ミッドタウン・タワー」(東京都港区)は248m…。国内の大都市に立つ代表的な超高層ビルの高さです。1968年に高さ147mの霞が関ビルディングが誕生して以降、高い建物はいつの時代にも話題に上ってきました。時には景観や日照権の問題にもつながりますが、建物にとって高さは外観の特徴を生み出す重要な要素といえます。

 建築基準法にも、高さにかかわる規定が随所に登場します。高さは、景観や日照にかかわる内容だけでなく、安全性に直結する要素となるからです。構造耐力や耐火・避難の性能に関する規定の多くが高さに応じて定められています。

「建築物の高さ」と「軒の高さ」は同じか?

 では、高さはどのように測るのでしょうか。建築基準法では「建築物の高さ」と「軒の高さ」の算定法を定めており、いずれも原則として地盤面から測ります。

「建築物の高さ」は建物の最高高さ
「建築物の高さ」は建物の最高高さ
「建築物の高さ」は、建物の最高部分の高さ。建築物の高さが同じでも、軒の高さは、建物の工法や形状、デザインなどで異なってくる(資料:日経 xTECH)
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 建築物の高さは、文字通り建物の最高部分の高さを指しています。木造の戸建て住宅であれば、屋根の頂上部分の高さが該当します。屋根が平らな鉄筋コンクリート造のビルなら、屋上の外周を巡っている立ち上がり部分(「パラペット」と呼びます)の上端の高さを測ることになります。

 ただし、いくつかの例外があります。例えば、ビルの屋上に階段室や装飾塔、昇降機(エレベーター)塔、高架水槽などが設けられている場合。階段室などの面積の合計が「建築面積(第1回参照)の8分の1以下」であれば原則、階段室などは一定の高さまで含める必要はありません。

 軒の高さは屋根を構成する架構を支える部材の高さを意味し、架構を支える「壁、敷桁、柱」の上端で測ります。実際には、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の別や、屋根の形状によって測る部位は少しずつ異なります。