木造戸建て住宅の雨漏り対策では、主に2つのポイントが重要です。1点目は、建物に降りかかる雨水を適切に排出する設計・施工両面の配慮で、これを「雨仕舞い(あまじまい)」と呼びます。2点目は、透湿防水シートやルーフィング材、シーリング材といった防水資材で建物への雨水侵入を防ぐ「防水施工」。雨仕舞いと防水施工は、雨漏り対策のまさに両輪です。これらの基本的な知識を7回の講義で解説します。
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木造戸建て住宅の雨漏り対策では、主に2つのポイントが重要です。1点目は、建物に降りかかる雨水を適切に排出する設計・施工両面の配慮で、これを「雨仕舞い(あまじまい)」と呼びます。2点目は、透湿防水シートやルーフィング材、シーリング材といった防水資材で建物への雨水侵入を防ぐ「防水施工」。雨仕舞いと防水施工は、雨漏り対策のまさに両輪です。これらの基本的な知識を7回の講義で解説します。
雨漏りは住宅の欠陥トラブルの中でも頻繁に発生している不具合の1つです。トラブルの内容次第では、建物全体に被害が及ぶ例もあります。住宅のつくり手(住宅会社など)にとっても、修繕コストの負担が生じたり、悪い評判が口コミで広がったりと、後々の経営にまで影響を及ぼしかねません。
木造戸建て住宅では近年、陸屋根(フラットな形状の屋根)、外壁に対して飛び出しが小さい軒・庇、外壁と一体化したバルコニーといった外観デザインが目立ってきました。
「外壁通気工法」とは、住宅の外装材の内側で躯体との間に一定の隙間を設け、その上下端を開けておくことで、外気が流出入できる「通気層」とする工法です(表記上は「構法」という語を使う場合もあります)。雨漏り対策についていえば、雨水が外装材(1次防水層)の内側に浸入しても、躯体を覆う防水紙(2次防水層)の手…
住宅の外壁仕上げで「乾式仕上げ」というのは、工場生産のパネル状仕上げ材を用いる場合を指します。どこでも見かけるサイディング外壁は、その代表例です。乾式仕上げの外壁で、雨漏り対策を考えるうえで注意を要するポイントをいくつか説明します。
住宅の外壁仕上げでは、第4回講義で説明した「乾式仕上げ」に対して、「湿式仕上げ」と呼ぶ手法があります。湿式仕上げとは、モルタルやしっくいなどの塗り壁材を建築現場で水で練り込み、外壁仕上げ材として施工する手法です。伝統的な土壁なども湿式仕上げ。タイル仕上げも、タイルだけ見ると乾式のようですが、湿式仕…
窓などの外壁開口部は、複数の建材・部材の取り合いが集中する箇所です。そのため施工ミスも起こりやすく、雨水浸入のウイークポイントの1つでもあります。
木造戸建て住宅で建物一体型のバルコニーは、雨漏りトラブルで雨水の浸入箇所となりやすい部位です。雨仕舞いや防水施工の基本的なポイントは、第3回と第4回の講義で説明した外壁の場合と同様ですが、バルコニーならでは注意点もあります。