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 雨漏りは住宅の欠陥トラブルの中でも頻繁に発生している不具合の1つです。トラブルの内容次第では、建物全体に被害が及ぶ例もあります。住宅のつくり手(住宅会社など)にとっても、修繕コストの負担が生じたり、悪い評判が口コミで広がったりと、後々の経営にまで影響を及ぼしかねません。

 雨漏りのない家づくりは、住宅会社などにとっては永遠の課題。しかし「雨仕舞い」や「防水施工」に関して正しい知識と実践が欠けていれば、雨漏りのリスクを自ら招き寄せます。また、工法の変化や新建材の登場などで、従来は想定できなかった雨漏りトラブルが生じる場合もあります。

 雨漏りトラブルでは、複数の要因が絡み合って生じるケースが少なくありません。原因を見極めるためには、さまざまな可能性を想定して、漏水経路を注意深く確認していくことが不可欠です。防水部材の施工不良や不適切な納まりはもちろん、トラブルが生じた建物特有の条件、例えば建物がある地域の気象条件や建物への雨掛かりの傾向など、広汎な視野で確認しなければなりません。

 木造住宅には一般に、雨水浸入が生じやすいウイークポイントがあります。下の図は、日本サッシ協会が具体的な雨漏りトラブル例に基づいて整理したウイークポイントの例です。

雨漏りが生じやすいのは外壁や屋根の「貫通部」と「三面交点」
雨漏りが生じやすいのは外壁や屋根の「貫通部」と「三面交点」
図で、住宅の屋内で雨漏りによる漏水や染みなどが生じやすい代表的な箇所が「湿潤個所」、屋外で雨水浸入が生じやすい部位・位置が「浸入個所」。図中A~Hは、下の表「雨水はどこから入るか?」に対応している(資料:日本サッシ協会)
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 建物内のどの箇所・部位で雨漏りを確認したか――。そうした箇所・部位によって、雨水が浸入している部位・位置をある程度は推測できます。下の表は、建物内で漏水や染みなどを確認した部位・位置(図や表の「湿潤個所」)と、それらに対応して雨水の浸入が疑われる部位・位置(同「浸入個所」)の例を整理したものです。雨漏り対策のうえで、設計者や施工者は、こうしたところに特に注意を払う必要があります。

雨水はどこから入るか?
雨水はどこから入るか?
実際の事故例などを分析すると、屋内の「湿潤個所」によって、雨水の浸入が疑われる「浸入個所」がある程度予想できる(資料:日本サッシ協会)
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