木造戸建て住宅で建物一体型のバルコニーは、雨漏りトラブルで雨水の浸入箇所となりやすい部位です。雨仕舞いや防水施工の基本的なポイントは、第3回と第4回の講義で説明した外壁の場合と同様ですが、バルコニーならでは注意点もあります。

 下の図は、主要な住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人(以下、保険法人)の設計施工基準に基づく一体型バルコニーの断面例です。例えば、バルコニーの床面には、一定の排水勾配が必要。主要な保険法人の設計施工基準では、排水勾配は1/50以上が目安です。この勾配が十分でないと、床面が経年変化などでたわむなどした際に、想定した排水機能を発揮しなくなる恐れがあります。

建物一体型のバルコニーは雨漏りリスクが高い部位
住宅瑕疵担保責任保険法人の1つ、住宅保証機構の設計施工基準を基にした一体型バルコニーの断面例。床面の防水層(この図ではFRP防水)は、外壁躯体や手すり壁に接する端部を一定程度、立ち上げる必要がある(資料:住宅保証機構の資料を基に日経 xTECHが作成)
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 バルコニーの床面ではしばしば、防水層として繊維強化プラスチック(FRP)が用いられます。FRP防水層は、ガラスマット補強材の変形や厚みのむらによる割れが雨水の浸入ポイントになる場合があります。その防止策としては一般に、ガラスマット補強材を2層以上、施工する手法が普及しています。またFRPと防水シート(ゴム系や塩化ビニール系などのシート材)を併用する工法もあり、この場合は、防水層がトータルで2層以上になればFRP防水層は1層でも構わないとされています。

 バルコニー床面に施す防水層は、端部を一定程度立ち上げる必要があります。第6回講義で屋根の防水層に関して「下屋と上層外壁の取り合いでは、下屋の下ぶき材端部を上層外壁側に一定程度、立ち上げる」と説明しましたが、それと似ています。

床面防水層とサッシ枠の取り合いはシーリングで止水
サッシ枠の下端は、防水層上端との取り合いをシーリング施工でしっかりと止水する取り合いに施工する。住宅保証機構の設計施工基準を基にしたイメージ(資料:住宅保証機構の資料を基に日経 xTECHが作成)
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 バルコニー床面の防水層では、特に建物開口部側の端部が重要です。開口部側の端部立ち上がりは、主な保険会社の設計施工基準では、原則として120mm以上が目安(上の図)。開口部のサッシ枠下部との取り合いは、シーリング材で止水します。立ち上がり高さの目安は、風による雨水の巻き上げを考慮するとともに、サッシ枠下部との取り合いでシーリング施工の作業性と品質を確保するために最低限必要とされている寸法です。

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