PoCで何を実施するかを決める
ここからは、PoCで具体的に何をするのか、JQベーカリーを舞台に見ていきましょう。PoCでは、今回のプロジェクトに関わっている以下の3人が登場します。
和田さん:今回のDXプロジェクトリーダーで、経営企画室の室長。マーケティング部で実績を積んできた。顧客をよく知っているということでリーダーに抜てきされたが、ITにはあまり詳しくない
平川さん:DXプロジェクトのシステム開発担当で、情報システム部所属。基幹システムの開発には慣れているが、サービス開発は初めて
三宅さん:DX専門のコンサルティング会社、デジトラコンサルティングの社員。JQベーカリーに常駐し、「DXプロジェクトリーダー補佐」という肩書で今回のプロジェクトを支援している。AI関連のプロジェクト経験が豊富
実際にモノを作ってみて、動かしてみて、想定通り動くかを検証するのがPoCです。しかし、いったいどこまで作るのかという疑問が湧くでしょう。
和田:この間のセミナーで、「AIを入れたけど想定通りの精度が出なかった」という失敗談を聞いたよ。我々のプロジェクトでもAIを入れるわけだけど、ちゃんと利用者が満足してくれるレコメンドになるのかな?
平川:いやぁ、それはやってみないとなんとも言えませんね。
和田:でも結構なお金をかけてシステムを構築した後に、「やっぱりダメでした」では社長に説明できないよ。
三宅:そうですね。レコメンドの精度が悪いと、サービスの根幹が揺らぎます。「過去のPOSデータから実用に足るAIが開発できるかどうか」をPoCとして検証した方が良いと思います。