このように、PoCの実施内容を決めるには、まず「どこにリスクがあるのか」を特定する必要があります。リスクの特定は、その分野のノウハウや経験がどうしても必要になります。自社の知見だけに頼らず、利用する技術分野に詳しい人の協力を仰ぐとよいでしょう。
朝食パンのレコメンドサービスでは、最も技術的な難易度が高いのはやはりAIの部分だと考えられます。POSデータなどを基に、2種類のパンから顧客の好みのパンがどちらかを当てるAIを構築したら、精度が50%だったとします。これは半分しか当たらないことを意味しますので、コインを投げるのと⼤して変わりありません。わざわざAIを作る必要がないのです。
技術リスクは、AIだけの話ではありません。例えばIoTプロジェクトの場合、センサーなどを備えた機器(エッジ)がきちんと動作するか、正常に通信できるかなどの物理的な検証が必要です。こうしたことも、PoCを通じて確認します。
JQ 代表取締役社⻑