抽象的な表現は、システム開発プロジェクトでは致命的な問題になることがあります。抽象的に仕様を表現すると、関係者の間で誤解が生じ、手戻りや障害を引き起こすからです。本講座では、開発ドキュメントでよく見かける抽象表現のなかでも、特に注意したいものを解説します。

連載
開発ドキュメントの悪文修正術[抽象的な表現]
目次
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第1回 二字熟語は万能ゆえに要注意
「対策」「調整」「管理」は抽象度が高い
開発ドキュメントでよく見かける抽象表現のなかでも、特に注意したいものを三つ取り上げて解説します。「二字熟語」「カタカナ語」「書き手だけに明瞭な言葉」です。
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第2回 何を示すのか分からないカタカナ語
カタカナ語の多くは抽象的
二字熟語と同様に、カタカナ語の多くは抽象的です。何を示すのか分からないカタカナ語が少なくありません。しかも、分かっているようで本当はよく分かっていないというカタカナ語もよくあります。
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第3回 書き手だけに明瞭な言葉
読み手にはぼんやりとしか分からない
書き手の頭のなかでは明確にイメージできているが、読み手にはぼんやりとしか分からない。そんな「書き手だけに明瞭な言葉」があります。
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第4回 具体化する上での注意点
具体化しすぎると選択肢が狭まる
開発ドキュメントでは、抽象的な表現はできるだけ避けるのが原則です。しかし特にRFPや発注仕様書といった上流工程で作成する開発ドキュメントでは、仕様を具体化しすぎて、実装や調達などの選択肢を狭めてしまうことに注意が必要です。