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 QC工程図は品質を確保する上で極めて重要な役割を果たすものだ。しかし、QC工程図があっても、その内容を作業者が正しく理解して実際の作業に反映させなければ品質は確保できない。そこで、目的の品質の製品を生産するために、それにふさわしい作業順序や作業方法を定めたのが「作業標準」と呼ばれるもので、それを文書化したものが「作業標準書」だ

 ところが、良い品質を実現するための作業標準書も、実際の現場で活用されている割合は低い。「手間がかかって面倒な割には役に立たない」というのが、活用されていない大きな理由だ。では、本来は役に立つはずの作業標準書がこうした評価になってしまうのはなぜだろうか。作業標準書の意味をもう一度考え直してみよう。

作業標準書には何が書かれているのか

 製品を生産する際に、それぞれの作業者が材料や機械、計測器を好きなように使って造ったのでは、仕上がりや特性にばらつきが発生してしまう。それでは目的とする品質の良い製品は出来ない。ばらつきの少ない、目的とする品質の良い製品を造るためには、それにふさわしい作業順序や作業方法によって作業することが必要となる。これらを定めたものが作業標準書だ。

 ところが、実際に各企業で使われている作業標準書を見ると、単に作業名と簡単な作業内容を列挙したものに過ぎないことが多い。「工程1:○○を削る」や「工程2:○○と△△を組み立てる」といった程度のものだ。これでは工程の概略は分かるものの、具体的にどう削るのか、どう組み立てるのかが分からない。作業の注意点やコツ、ポイントなども全く分からない。こんな作業標準書では、正しい作業や品質の良い製品を造るための作業を作業者ができるはずがない。これが「作業標準書は作るのは面倒なのに役に立たない」と評される理由だ。

 作業標準書には、単に作業内容を列挙するだけではなく、QC工程図を作成する過程で洗い出した各工程での注意点や、作業上のコツやポイントを、具体的にどのような作業や動作で実現するのかが明示されていなければならない。

(作成:筆者)
(作成:筆者)
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