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 工場の管理者は、職位が上に行くほど現状の課題解決と同時に、中・長期的な工場のあり方の検討とその実現への取り組みが求められる。そのため、つい事務所や会議室で行う業務の比率が多くなり、生産現場から遠くなりがちだ。職制としても、現場の担当者や班長、係長、課長と階層を経ているために、あえて現場に直接口を出さないように自制している管理者も少なくない。

 一方で、管理者の責務には、現場が判断できない事項や経営的な視点で現場に指示すべき事項など、いわゆる判断業務の比率が多くなる。すると、現場から離れるほど現場の姿(事実)が見えにくくなり、その結果として正しい判断ができないような状況になってしまう危険性がある。

 こうした問題を回避するキーワードは「3現主義」だ。3現主義とは、「現場」「現物」「現実」という3つの「現」を重視する姿勢のことである。ものづくりにおいては何よりも、[1]現場に足を運ぶこと、[2]現物を直接確認すること、そして、[3]現実に基づいた議論を行うことを重視せよ、ということである。

(作成:筆者)
(作成:筆者)
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 筆者は、3現主義に「3直」という言葉を付け加えた「3直3現主義」という言葉をよく使っている。「3直」の意味は、(1)何かあれば直ちに現場に行くこと、(2)聞くだけではなく直接現物を見ること、そして、(3)目の前の現実を冷静に直視すること、だ。