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 第1回、第2回では、ITベンダーによる作業の概要とその成果物確認における発注者の役割について説明してきました。では、これ以外に発注者に必要な役割はないのでしょうか。

 もちろんそんなことはありません。むしろ、前述した設計成果物の確認は、DXプロジェクトに慣れたITベンダーであればある程度任せておいてもそれほど問題はないでしょう。また成果物を的確にレビューするには一定の経験も必要なので、発注者側はできる範囲で取り組めば十分です。

 では発注者側は何に力を入れるべきなのか。設計工程以降で必要となる、発注者ならではの役割について説明します。

デザインと仕様変更の即断即決体制を作る

 発注者ならではの重要な役割の1つがアプリケーションのデザイン確定です。設計成果物とは異なり、デザインには明確な正解はありません。とはいえ、当然ながら新サービスのリリース時点ではデザインを1つに決定する必要があります。

 正解がないということは、関係者それぞれが異なるイメージを持っているということです。これらのイメージのすべてをデザイナーに伝え、デザイン修正を繰り返すような進め方をしていては、スケジュール通りのリリースが難しくなります。

 このような事態を避けるため、発注者側には以下の3点が求められます。