日本の製造業では今、設計力が落ちていると言われます。このコラムでは、トヨタ自動車で働いた経験のある設計者が、お客様のニーズに対応しながらも、高い生産性を維持しつつ、正確な図面を作成して、手戻りを最小限に留めるための設計力を養う方法を解説します。本講座では、問題を未然に防ぐ秘策を伝授します。
A&Mコンサルト 経営コンサルタント

日本の製造業では今、設計力が落ちていると言われます。このコラムでは、トヨタ自動車で働いた経験のある設計者が、お客様のニーズに対応しながらも、高い生産性を維持しつつ、正確な図面を作成して、手戻りを最小限に留めるための設計力を養う方法を解説します。本講座では、問題を未然に防ぐ秘策を伝授します。
ツールの形骸化を防ぐ方法
トラブルは発生してから修正するのではなく、起こる前に未然に防ぐ──。トヨタ自動車の設計者にはこのことが強く求められます。問題を未然に防ぐには、しかるべき考え方や方法があります。この講座ではそれらを体系的に解説していきます。
機能の欠損と性能の低下の違い
FTA(Fault Tree Analysis;故障の木解析)を実施しているときに、「機能」と「性能」の表現方法の違いに困ることはないでしょうか。実は、FTAの中間事象を記載する際に、「機能の欠損」と「性能の低下による事象」がごちゃまぜに書かれているケースをよく見掛けます。
機能系統図と制約条件
設計者にとって設計書の理解は必須です。設計書とは「設計のインプット情報」です。従って、設計者が設計の内容を迷わないように大きな方針を決めることが、設計書の目的となります。設計書を作成し終えたら、次に実施するのは[1]機能系統図と[2]制約条件となります。
検図品質を高めるツール
今ほど設計者に大きな負担がかかっている時代はありません。競争が激化する中で、やらなければならないことは増えています。できる限りムダを省いて負担を軽減したいところです。設計においてムダと言えば、過去に起こした問題の再発です。
FMEA・DRBFMが機能しない理由
FMEA(故障モード影響解析)やDRBFM(Design Review Based on Failure Mode)を必ず実施すること──。開発設計プロセスにおいて、こう決めている企業は少なくありません。中でも、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格である「IATF16949」の認証を取…