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 戸建て住宅の新築やリフォームは、建築法規に基づいて計画を進めることが求められます。敷地条件などによっては、希望する新築やリフォームができない場合もあります。ここでは戸建て住宅を対象に、知っておくと役立つ建築法規の基礎を整理します。

 建築工事に際してよく耳にする言葉に、「建築確認」や「確認申請」があります。建築確認とは、その建物が建築基準法の規定を満たしているかどうかを行政側がチェックすることです。建築基準法は、周囲に与える影響や安全性など、建物が備えるべき最低限の基準を定めた法律なので、建築確認はデザインの良しあしや使いやすいか否かは評価しません。

建築確認と検査の流れ
建築確認と検査の流れ
工事は確認済証、引き渡しは検査済証の交付後にそれぞれ実施する必要がある。戸建て住宅の中間検査を行うかどうかは自治体によって異なる(資料:日経クロステック)
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 建築確認が必要な建物は、建築確認が得られなければ工事を始めることができません。建築確認を取得するための申請を「確認申請(建築確認申請)」と呼び、建築確認をクリアすれば「建築確認済証」が交付されます。工事が完了した時点で完了検査を行い、検査済証の交付を受けてから引き渡し、入居という段取りになります。

 自治体によっては中間検査も必要になります。全国一律に定められた中間検査の対象は「3階建て以上の鉄筋コンクリート造共同住宅」だけですが、自治体ごとに中間検査の対象が定められています。戸建て住宅の場合、自治体によっては階数や面積に応じて躯体(骨組み)や屋根部分などを対象に中間検査を実施しています。

 もともと建築確認と検査は、建築主事という公務員を置く特定行政庁が実施していました。こうした手続きが1998年に民間に開放されて以降は、特定行政庁の他、民間法人の指定確認検査機関も手掛けるようになりました。

新築や一定規模以上の増築・リフォームが対象

 建築確認は、戸建て住宅の全ての工事で必要というわけではありません。確認申請が必要か否かは「建物の規模」「地域」「工事の種別」によって決まります。

戸建て住宅における建築確認の要否
戸建て住宅における建築確認の要否
「建物の規模」「地域」「工事の種別」によって建築確認の要否が定められている。防火・準防火地域以外における小規模建物の新築・10m2超増築については例外規定がある(資料:日経クロステック)
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 規模については、木造なら「階数が3以上」「延べ面積500m2超」「軒の高さ9m超」「(建物の)高さ13m超」かどうか、木造以外の鉄骨造や鉄筋コンクリート造などなら「階数が2以上」「延べ面積200m2超」かどうかが、それぞれ分かれ目となります。いずれかに当てはまれば大規模な建物、それ以外なら小規模の建物となります。小規模の建物は「(建築基準法6条1項)四号建築物」と呼びます。木造の戸建て住宅の場合、3階建てを除けば、事実上、ほぼ四号建築物とみてよいでしょう。

 戸建て住宅における建築確認の要否は、「建物の規模」「地域」「工事の種別」によって、次のように整理できます。

 都市計画区域や準都市計画区域、準景観地区に立地する場合は、建物の規模にかかわらず「新築」と10m2超の「増築など」は建築確認の対象になります。防火・準防火地域内の10m2以内の増築も、規模にかかわらず建築確認が必須です。

 建物の規模で大きく異なるのは、「大規模の修繕・模様替え」の扱いです。大規模の建物ではどの地域においても建築確認が必要となりますが、小規模の建物はどの地域においても不要です。

 都市計画区域、準都市計画区域、準景観地区のいずれにも属さない地域の場合は、小規模の建物はどの工事種別でも建築確認は必要ありません。しかし同じ地域条件でも大規模の建物の場合、「新築」「10m2超の増築」「大規模の修繕・模様替え」に相当する工事では必要です。