ソースコードが読みやすく、書きやすい
まず、以下のソースコードを比べてみましょう。//C
int main(void){
int n = 2;
if(n > 3) {
printf("3より大きい数字です");
}
else {
printf("3以下の数字です");
}
}
# Python
n = 2
if n > 3:
print("3より大きい数字です")
else:
print("3以下の数字です")
この2つのソースコードは同じ処理を実行するものです。上はC、下はPythonで書かれています。
Cは、変数を宣言するために型を指定しなければなりません。型とはその変数に入れる値の種類のことで、整数型や文字列型などがあります。「int n=2;」は、int(整数)型の変数「n」に2を代入するという意味です。
Pythonで同じ処理を記述している箇所を見ると「n=2」となっており、「int」は必要ありません。Pythonはソースコードで型を宣言せず、プログラムの実行時に型が決まります。
Cの場合、型がソースコードで指定されているのでどの変数にどんな型の値が入っているのか把握しやすいメリットがあります。一方で、型を宣言する分ソースコードの記述が煩雑になりがちです。
これに対してPythonは、変数の型が一目で分かりにくいデメリットがあります。しかし型宣言がないため、ソースコードが完結になります。シンプルにプログラミングができるので初心者にとっては学びやすいと言えます。
またCでは、「{ }」のようなカッコを使ってプログラムの区切りを示します。その分行数が増えますし、人によってカッコの位置が異なるため読みにくくなります。Pythonはカッコの代わりにインデントを使うため、誰が書いても同じようなコードになります。
誰が書いても同じようなコードになるというのは、ソフトウエアの共同開発においてはとても重要です。共同開発では、自分が書いたソースコードを他人も読みます。コードの可読性が高ければ、チーム全員がプログラムの意図をスムーズに理解できます。
こうしたメリットが評価され、Pythonは以前からWebアプリ開発などで広く使われてきました。動画共有サービスの「YouTube」、写真共有SNS「Instagram」などの人気サービスにもPythonが使われています。
ただ、ここ数年のPython人気の盛り上がりには、もう1つ理由があります。