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 ハイブリッド車(HEV)の主要部品であるインバーターは、パワー素子やコンデンサー、制御回路から成る。それらの特徴や要求事項などを解説していこう。

 インバーターは、主電池の直流をブリッジ接続した6個のパワー素子によって3相交流に変換し、モーターに供給する(図1)。ここでパワー素子とは、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスター)とダイオード(フリー・ホイール・ダイオード)を組み合わせたものを表す。制御の仕組みは次の通りである。

図1 インバーターの構成
図1 インバーターの構成
6個のパワー素子(IGBTとダイオードを組み合わせたもの)やコンデンサーなどで構成される。(作成:筆者)
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 まず、HEV・ECU(ハイブリッド車の電子制御ユニット)が運転者のアクセルペダル操作量を示すアクセル開度指令から必要な駆動トルクを算出し、IGBTの駆動信号を出力する。このとき、電圧位相とローター位置との関係で取り出せるトルクが変化するため、ローターの位置を検出して最大トルクが得られるように通電のタイミングを決めている。

 IGBTの駆動にはPWM(パルス幅変調)制御を使っており、パワー素子から電圧可変の正弦波3相交流を出力して駆動トルクを制御する。