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銀行間の国際的な送金メッセージ(支払指図)の通信を担っているのがSWIFTである。SWIFTは「Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication」の略であり、ベルギーに本部を置く協同組合として設立されている。

業界所有型組織として誕生

 SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)は、金融機関の金融取引に関するメッセージ通信(金融メッセージングサービス)を伝送する国際ネットワークサービスを提供している。世界の200カ国以上、1万1000行以上の金融機関を結んで、国際的な支払いメッセージの伝送サービスを提供している。これにより、世界のどの国のどの銀行に対しても、あるいは世界のどの銀行からも、資金を送ったり受け取ったりすることが可能になっている(図7-5-3-1)。

図7-5-3-1 SWIFTの国際的なネットワーク(金融機関間の通信におけるSWIFTの利用)
図7-5-3-1 SWIFTの国際的なネットワーク(金融機関間の通信におけるSWIFTの利用)
(出所:SWIFTの資料を基に筆者作成)
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 各国には中央銀行などが運営する決済システムがあり、そのコンピューターセンターと加盟行のシステムをネットワークで結んで、国内における資金決済を可能にしている。例えば、日本には日銀ネット、米国にはFedwire、欧州にはTARGET2がそれぞれ存在しており、各国通貨(円、米ドル、ユーロ)の決済を行っている。

 しかし、国境をまたぐクロスボーダーの資金の受け払いについては、中央で決済を行う中央銀行のような機関が存在しない。このため、互いに契約を結んだ「コルレス銀行」が、互いのために資金の受け払いを行うのが一般的である。例えば、米銀A行が、邦銀B行のために米ドルの受け払いをしたり、独銀C行が米銀D行のためにユーロの受け払いをしたりする。

 SWIFTができる前は、コルレス銀行間の通信は主に「テレックス」によって行われていた。テレックスではフォーマットが決まっておらず、受信した銀行はいったん紙に打ち出して内容を確認し、手作業で処理していたため、非常に非効率的であった。国際金融取引の拡大につれて、こうした手作業による事務処理が追いつかなくなっていった。

 そこで、SWIFTが1977年に電子的なメッセージの交換業務を開始した。ユーザーである金融機関(銀行、証券会社など)が株主となり、利用量に応じて株式を保有する「業界所有型」の組織となっている。