デジタルの波が金融の世界を覆いつくそうとしている。日本銀行は「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」の実証実験に乗り出し、新しいお金の形を探り始めた。銀行は、半世紀にわたって銀行間決済を支えてきた「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の改革に着手し、「デジタルバンク」に活路を見いだす地方銀行も登場してきた。証券会社はブロックチェーン技術をベースとしたSTO(Security Token Offering)に高い関心を示し、保険会社はデータ活用に力を注ぐ。一時は失速した暗号資産(仮想通貨)も再び上昇気流に転じている。

 非金融事業者による越境もとどまるところを知らない。「Embedded Finance(組み込み金融)」の潮流は金融機能をパーツ化し、さまざまなオンラインサービスに埋め込むことを可能にした。金融業界を囲ってきた高い参入障壁は過去のものになりつつある。顧客基盤を抱えた大手異業種は手掛けやすくなった金融サービスを武器に、消費者の生活導線に入り込もうと躍起だ。 

 日々、形を変えていく金融DXの姿。その最前線を追う。