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標準化された電子レシートプラットフォームを検証

 実証実験では、経産省が策定を目指す電子レシートの標準規格(関連記事2)の検証作業として、業種、業態の異なる小売店舗において標準化された電子レシートプラットフォームの有用性を検証する。今回は東芝テックの電子レシートシステム「スマートレシート」をベースにして、標準データフォーマットとAPIを実装したプラットフォームを使用する。標準規格を設けることで、これまで個別に開発・利用していた各社の電子レシートシステムやアプリケーションがシームレスに連携可能になるほか、さまざまな新サービスの開発につなげる狙いだ。

実証実験に用いるシステムの概要図
実証実験に用いるシステムの概要図
(東芝テックのスライド)
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参加企業と体制図
参加企業と体制図
(東芝テックのスライド)
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 今回使用する東芝テックの電子レシートシステムは、個人情報保護の観点からユーザー自身がデータ提供の保護範囲を決める仕組み「プライバシーポリシーマネージャー(PPM)」(関連記事)を備えている。電子レシートシステムを使って買い物をすると、レシートの情報が「電子レシートセンター」にアップロードされ、ユーザーはすぐにレシートの内容を確認・利用することができる。一方で、購買データとして利活用するデータは「データプール」と呼ぶ場所に別途アップロードされる。PPMは、このデータプールに渡すデータの範囲をユーザーが決定することができる仕組みだ。例えば、住所(郵便番号)や年齢、性別、購入店舗をすべて開示することもできるし、「都道府県のみ」「年代のみ」と一部を制限して開示することもできる。データプールに蓄積される情報には、個人と紐づくデータは取得していない(東芝テックの担当者)といい、開示範囲に応じて、ポイントやクーポンを受け取ることができる。

電子レシートアプリケーションの個人情報設定画面。データプールにアップロードされるレシートの内容をマスクできる。今回の実証実験では、性別と利用登録時のメールドメインが必須公開となっており、年齢と郵便番号が一部マスク処理できる仕様になっている。
電子レシートアプリケーションの個人情報設定画面。データプールにアップロードされるレシートの内容をマスクできる。今回の実証実験では、性別と利用登録時のメールドメインが必須公開となっており、年齢と郵便番号が一部マスク処理できる仕様になっている。
(撮影:日経 xTECH)
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 2017年に福岡県のドラッグストアで実施した電子レシートの実証実験では、買い物に利用できるポイントを対価として、住所や電話番号を含む個人情報と購買データを「すべて第三者へ提供する(PPM秘匿レベル:低)」としたユーザーが7割弱だったと発表している(経済産業省のニュースリリース2)。「ユーザーがよくわからないまま個人情報と購買データ提供している可能性はないか」との問いに、林氏は「もちろん、理解・納得した上で提供してくれている。個人情報を提供することには強い抵抗があっても、クーポンやポイントなどの対価があれば提供してもいいと考える人は多いということだろう。経産省が実施しているということで、信頼してくれた面もあるかもしれない」と答えた。今回の実証実験でも同等の割合でデータの提供が得られると見込んでおり、2000サンプル(レシート)の取得を目指す。