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雪などで車線が見えなくても自動運転

 同社によれば、準天頂衛星を測位に使うことで、停車状態では水平方向±6cm、移動中で同±12cmで自車位置を特定できる。緯度と経度をこれによりほぼ特定できることから、高精度地図情報と組み合わせることで、同地図上の自社位置(緯度、経度、高度)の特定が可能になる。同地図には車線の中央の情報も組み込まれており、どの車線を走っているかを把握できるという。

 このため、悪天候下で車線の区画線を認識できなくても、車線に沿った走行が可能になり、自動運転の安全性を高められるとする。実際、同社が2017年秋に北海道の道央自動車道(旭川市と士別市の間)で実施した試験では、カメラでは区画線を捉えられない雪の中で安全に自動運転を達成できたという。その際に使用した車載センサーは前方を監視する単眼カメラとミリ波レーダー(77GHz)。高精度ロケーターが、準天頂衛星と高精度地図の情報から自車位置を特定した。もっとも、高精度ロケーターが持つ機能はそれだけでなく、準天頂衛星の電波が届きにくい環境下では、車載センサーを利用して自車位置を補正する機能も持たせてある。

 高精度地図としては、将来的には道路状況の変化をダイナミックに反映させられるダイナミックマップの活用を狙う。ただ、ダイナミックマップ基盤(DMP)が整備を進めている日本の高速道路におけるダイナミックマップの静的情報となる3次元高精度地図が完成するのは2018年度中の見通し。そのため、前述の実証試験では、通常の3次元高精度地図を使って実施した。ダイナミックマップの情報を活用できるようになれば、自車前方の故障車の存在や道路工事などに伴う障害物の存在などリアルタイムに近い周辺情報を把握できるようになる。

 統合制御ユニットは、走行ルートを生成し、そのルート通りに走行するように車両を制御するためのものだ。3次元高精度地図上での自車位置と自車周辺の地図情報、さらに自車周辺の障害物や道路状況などの情報を、高精度ロケーターから受け取り、走行ルートを生成する。車載センサーを活用して路面の状態も把握し、滑りやすい道ではゆっくり走らせたり、前方の障害物との距離や自車周辺の他の車両の存在状況などを考慮して、操舵のタイミングや滑らかさを柔軟にコントロールしたりといった制御を行っているという。

 実用化時期については、高速道路向けのものは技術的には確立しており、顧客次第のところは否めないが「次の次のモデル」くらいというイメージ。実際、顧客候補との共同研究も実施中という。一般道向けのものについては、実用化に向けて研究開発を進めている最中のようだ。提供形態にとしては、システムとしてだけでなく、高精度ロケーターや統合制御ユニットといったコンポーネント単位でも可能とする。