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固定子の磁束のひずみを回転しで相殺

 同社が、電動車両の駆動モーターや発電機などに使われるIPM方式の3相交流モーターを高効率化する技術として紹介したのが、同モーターの効率を最大約30%向上させられる技術だ。同モーターでは通常、固定子の巻き線に3相交流を流して磁束を変化させるが、その磁束の波形が理想とされる正弦波にはならずにひずみ、鉄損を増加させる原因になっていた。従来は、磁束の波形が正弦波に近づくように工夫していたが限界があった。

 そこで同社が考えたのが、固定子の磁束の波形のひずみと逆のひずみを回転子の磁束の波形に発生させて、両者で相殺しようという発想だ(図3)。回転子の磁束は、回転子を構成する鉄心と永久磁石の回転によって生じることから、鉄心に形成する溝の形状を変えることで磁束の波形をひずませることができる。同社では、頻繁に使う運転領域(トルクと回転数)において、効果的にひずみを相殺できるように、同溝の形状を最適化したとしている。

固定子における磁束の波形のひずみとその相殺方法
固定子における磁束の波形のひずみとその相殺方法
中央右側に描かれている波形を見ると、固定子の磁束の波形にひずみがあることが分かる。そのひずみと逆のひずみを回転子の磁束に発生させて相殺させる。合成した波形は、理想的な正弦波に近づいている。出所:三菱電機
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