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 「強化が続く欧州や米国などの排ガス規制にも十分対応できるものと考えている」。東京大学大学院准教授の脇原徹氏らは、NOx(窒素酸化物)の浄化に使う尿素SCR(選択型還元触媒)システムのNOx浄化触媒として適用できる高活性・高耐久の触媒を開発した(図1)。

図1 開発した触媒のイメージ
図1 開発した触媒のイメージ
従来のゼオライトに対してNOxの分解を促すCuイオン(活性点)を増やし、ゼオライトの結晶構造における欠陥を減らした。(出所:東京大学)
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 ディーゼルエンジンの排ガス規制で最も厳しいとされているのが、NOxだ。2015年秋に表面化したドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswargen)の排ガス不正問題は、その対応の難しさを改めて認識させた。

 しかも、NOxの排出規制はその後も厳しさを増している。欧州では従来の標準試験モードよりも幅広い走行パターンを盛り込んだ試験方法であるWLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)や、実際に車両を走行させて排ガスを計測するRDE(Real Driving Emission)試験を導入。より幅広い運転領域でNOxの排出量を減らすことを求めている。

 また、乗用車のNOx排出規制で最も厳しいとされる米国では、標準試験モードにおける規制値の強化に加えて、「US06」と呼ばれる高速・高負荷モードなどの非標準モードでも規制強化を予定。日本でも、2018年10月にWLTPを導入する他、2022~2023年にNOxを対象にRDE試験を導入する計画だ。