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 加賀電子は2018年2月23日、ドイツの部品メーカーであるイザベレンヒュッテ(Isabellenhuette)の車載電流センサー「ISA-Scale IVT-Sシリーズ」の国内販売を開始したと発表した(リリース)。主にリチウムイオン電池を使った電動車両の電池管理システム(BMS)への利用を想定する。従来のセンサーに比べて電流の測定精度を高められるため、電動車両の航続可能距離の向上につながる。

車載電流センサー「ISA-Scale IVT-Sシリーズ」
車載電流センサー「ISA-Scale IVT-Sシリーズ」
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測定原理(今回の製品は右側のシャント抵抗方式)
測定原理(今回の製品は右側のシャント抵抗方式)
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シャント抵抗とA-D変換器、補正用のマイコンなどをモジュール化している(下側の図)
シャント抵抗とA-D変換器、補正用のマイコンなどをモジュール化している(下側の図)
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 BMS向けの車載電流センサーは、大きく「磁気方式」と「シャント抵抗方式」に分かれる。今回の製品は後者のシャント抵抗方式である。

 磁気方式は、電流によって生じた磁界をホール素子で計測する。消費電力が少なく、絶縁性に優れるものの、小型化が難しいほか、微小電流や大電流に対する測定精度が低いという課題がある。一方、シャント抵抗方式は「オームの法則」で電流値を求める。小型で微小電流から大電流まで高精度に測定できる半面、抵抗部分で生じる消費電力が大きいという課題がある。

 どちらの方式を採用するかは自動車メーカーや1次部品メーカー(ティア1)によって異なり、「欧米ではシャント抵抗方式、日本国内では磁気方式の採用事例が多い」(イザベレンヒュッテ)という。イザベレンヒュッテは今回のIVT-Sシリーズの販売を通じて、日本国内でも高精度のシャント抵抗方式の採用を広げたい考えだ。

 すでに国内の自動車メーカー3社が評価中であり、「うち1社からは高い評価を受けている」(加賀電子)とする。具体的には、カタログスペックでは分からない実際の測定精度が、従来の磁気方式に比べて約3桁(1000倍)高かったという。BMSの電流センサーを高精度化できると、電池容量に対する充電量の比率(SOC)を高められるため、電動車両の航続可能距離を伸ばせる。

 課題の消費電力については、300Aや500Aの電流値を測定する際の消費電力が「9W」(イザベレンヒュッテ)と、車載部品としてはやや大きい。この点を自動車メーカーやティア1がどう評価するかがポイントになりそうだ。

 販売する電流センサーは、シャント抵抗とA-D変換器、補正用のマイコンなどをモジュール化した「ISA-Scale」と呼ぶ製品である。これまではカスタム品が中心だったが、今回のIVT-Sシリーズは標準品として販売する。電流の測定レンジは±100A、±300A、±500A、±1000A、±2500Aの5種類。イザベレンヒュッテが加賀電子などの代理店を通じて販売する。なお、イザベレンヒュッテは2018年2月28日~3月2日に東京ビッグサイトで開催される「第9回 国際二次電池展」に、同センサーを出展する。