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 アビームコンサルティングと富士通が2018年2月、欧州SAPのERP(統合基幹業務システム)パッケージの移行支援サービスを開始した。現在、2000社以上のユーザーがいると言われる「SAP ERP」から、新製品「S/4HANA」への移行を支援するサービスだ。両社とも6カ月程度で移行することが特徴だ。

サービス名提供会社概要
ABeam Cloud Conversion Express Factory for SAP S/4HANAアビームコンサルティングSAP ERPのデータをコピーすると、S/4HANAへの移行作業を実行してバックアップファイルおよび移送ファイル形式で提供する。期間は最短で約6カ月、料金は980万円から
SAP S/4HANAコンバージョンサービス富士通S/4HANAへの移行プロジェクトの要件定義からシステム切り替えまでを最短6カ月で提供する。インフラのクラウド移行なども同時に支援する。料金は個別見積もり

 アビームコンサルティングが2018年2月14日に提供を始めたのは、「ABeam Cloud Conversion Express Factory for SAP S/4HANA(以下Conversion Express Factory)」。ユーザー企業が自社の本番環境で稼働するSAP ERPのデータをアビームコンサルティングのクラウドサービスにコピーすると、アビームコンサルティングがS/4HANAへの移行作業を実行し、バックアップファイルおよび移送ファイル形式で顧客へ戻す。作業期間は最短で6カ月程度を想定している。

 アビームはConversion Express Factoryを提供するために「Factory」と呼ぶ移行専門チームを設置した。「工場のラインをイメージして命名した」とアビームコンサルティング の大村泰久 プロセス&テクノロジー ビジネスユニット ディレクターは説明する。

 顧客企業のSAP ERPをアビームコンサルティングのクラウドサービスにコピーすると、Factoryの担当者が数百本のパッチの適用や、データの変換などS/4HANAへの移行に必要な作業を実施する。「平均的なプロジェクトでは、データの桁数変換など定型的な作業に2カ月かかる。Factoryにノウハウを蓄積することで、この2カ月を新サービスで短縮していく」と大村ディレクターは説明する。

 富士通が2月26日に提供を始めた「SAP S/4HANAコンバージョンサービス」は、SAP ERPから、S/4HANAへ移行する際の要件定義からシステム切り替えまでを最短6カ月で提供する。「ERPをS/4HANAへ移行するとともに、インフラをクラウドに移行するサービスも提供する」と富士通の能宗賢治 ERPソリューション事業本部 第二ソリューション事業部 第一ソリューション部 シニアマネージャーは話す。

 移行元となるOSやデータベースの環境は問わない。移行先は「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」、「Fujitsu Cloud Service K5」などのパブリッククラウドサービスを選択できる。マルチクラウド環境に移行することも可能だ。「SAP ERPとS/4HANAとの非互換部分の見える化など、ノウハウを共有して効率化していく」と富士通の能宗シニアマネージャーは説明する。

 料金はアビームコンサルティングが980万円から。富士通は個別見積もりとしている。

SAPコンサルタントが大幅に不足

 両社がこうしたサービスを提供する背景には、S/4HANAへの移行プロジェクトが増える一方で、今後数年間でSAPコンサルタントが大幅に不足するのではないか、という見通しがある。