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板厚不足の台車枠が140台超

 川崎重工業は側バリ底面の板厚が、設計上求められている寸法7mmより薄くなっていた台車を、JR西日本に100台(亀裂が生じた1台を除く)と東海旅客鉄道(JR東海)に46台、計146台納入していた。他のJR3社では該当がなかった。

 運用中の同形台車を全て超音波探傷した結果、側バリ底面の板厚が7mm以上あった台車でも傷が見つかった。傷があった台車はJR西日本で22台、JR東海で7台、計29台。そのうち10台を割断して調査したところ、全10台で傷の存在を確認したが、全て側バリ底面と軸バネ座との溶接部の範囲にとどまっており、台車枠の強度には影響しないとの見解を示している。また、定期的に超音波探傷を実施して、傷が広がっていないことを確認する。

 ただし念のため、傷がある程度大きいと考えられるものなどは台車を交換した。板厚が7mm未満の台車で12台。板厚が7mm以上あった台車でも8台を交換。それ以外の台車は運行を続けながら順次交換していく。交換費用は川崎重工業が全額負担する。

川崎重工業は外部専門機関の協力も得て再発防止

 川崎重工業はこうした製造不備の再発を防止するため、品質管理委員会を設立して品質管理上の問題などを調査し、是正していく。外部の品質管理に関する専門機関などの知見を取り入れ、設計図通りになっていない製品が出荷されない仕組みを確立する。また、品質保証本部による製造過程におけるチェックポイントを増やすなど品質管理体制を強化。生産本部に品質管理部門を新設し、製造過程の確認や作業者の教育内容の刷新などを図る。

 同社社長の金花芳則氏は神戸市内で開いた会見会場で、「今後、対策委員会を設け、外部専門家の協力も得て再発防止に努めたい」と話した。また、3月から3カ月間、社長の金花芳則氏が月額報酬の50%、常務取締役車両カンパニープレジデントの小河原誠氏が同30%を返上する。

 JR西日本社長の来島達夫氏は会見を開いた大阪市内のホテルで、「運用している全新幹線について入念な目視点検を継続しているが、これまでのところ異常は認められていない。今後は、東海道新幹線区間に設置されている台車温度検知装置を用いるなどして、車両の安全確保に万全を尽くす。川崎重工業への損害賠償請求などについて、現時点では白紙の状態だ」と話す。