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6気筒は激減し、4気筒に置き換わる

 メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)ブランドは、高級車の代表格。F1(フォーミュラ・ワン)を始めとした自動車競技に力を注いだDaimlerにとって、大出力の高級車はブランド力の維持に欠かせない存在だった。高級車に搭載する直6の排気量増をやめる決断は、「高級車=大排気量」の構図が崩れたことを意味する。

 Daimlerの主力は、4気筒エンジンに変わっている。新型直4ガソリン開発を担当したローランド・ケムラー(Roland Kemmler)氏は、かつて日経Automotiveに対して「6気筒は激減し、4気筒に置き換わる」と見通した。

 「Sクラス」といった上級車や高性能を訴求する派生車の一部には、今後も6気筒エンジンを使う。ただ4気筒が主役の今、6気筒の排気量を増やして、さらなる大出力化を図る意義は小さくなったと言える。

新型直6ガソリンエンジンを搭載した「S450ロング」
新型直6ガソリンエンジンを搭載した「S450ロング」

 高性能車の代名詞である独ポルシェ(Porsche)が、エンジン排気量を小さくするダウンサイジングに舵を切る。高性能車を選ぶ消費者でさえ、排気量の大小を気にしなくなりつつあることも大きい。

 Daimlerは4気筒、6気筒、8気筒、12気筒のエンジンを抱える。このうち8気筒と12気筒はV型を残すが、競技車ブランド「メルセデスAMG」と超高級車ブランド「マイバッハ(Maybach)」の車両にほとんど搭載するものだ。主力のメルセデス・ベンツの車両は、4気筒と6気筒が大半になる。

 排気量を増やさずに、出力を変える環境が整ってきたことも背景にありそうだ。過給機やモーター兼発電機として使えるISG(Integrated Starter Generator)などの出力に直結する部品を制御して、最高出力の設定幅を変えやすくなった。新型直6の最高出力の設定は、270k~320kWと幅広い。