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傘まで中空のナトリウム封入排気弁

 気筒壁間の肉厚を薄くすると、熱対策が難しくなる。熱を逃がしにくいからだ。燃焼時に高温になるエンジンブロックの上部を冷やしにくくなる。

 Daimlerは、ターボのインタークーラーを改良。空気を冷やす効率を高めて、過給時に低温の空気を気筒内に入れられるようにした。気筒ごとの温度分布を均一にする効果も得られたとし、各気筒の温度差を5K以内に抑えた。

 加えて、排気弁に新採用のナトリウム(Na)封入式を使ったことが冷却性能の向上に寄与した。熱伝導率が高い溶融したNaを介して、排気弁の熱を早く逃がせる。

 Daimlerが採用したのは、弁の軸(ステム)に加えて、傘(ヘッド)まで中空にしてNaを入れたもの。ステムの中空部にNaを封入した排気弁の採用は増えているが、傘まで中空にしたものは少ない。日産自動車が高性能車「GT-R」(R35型)で、2012年から採用した例があるくらいだ。

左がナトリウム封入式排気弁。小径にしている。右が吸気弁
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左がナトリウム封入式排気弁。小径にしている。右が吸気弁

 さらに熱伝導率が高い点火プラグの採用や、排気弁の小径化などの工夫を重ねたという。

 ウォーターポンプとエアコン用コンプレッサーを電動化したことも全長短縮に貢献した。従来はエンジン出力を動力源にするため、出力軸とベルトをつないで駆動していた。出力軸はエンジンの前か後ろになるため、全長増加につながる。電動化でベルトをなくせると、全長を短くできる。