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 3つめの企業認定は、独自の資格制度を持つIT企業向けの仕組みである。具体的には、情報処理学会が基準を満たしていると認定した企業内資格の保有者は、CITP資格を取得できる。

 企業認定を受けたIT企業(以下、認定企業)は2018年2月末時点で、NEC、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェア、NTTテクノクロス、ニッセイ情報テクノロジー、日立製作所、富士通、三菱電機インフォメーションシステムズの8社と、そのグループ会社が名を連ねる。

 これら認定企業にとっては、CITPが国際資格になったことにメリットがある。例えば、約1200人のCITP資格保有者が所属するNTTコムウェアの深松清人総務人事部HCMセンタ所長は、「海外のプロジェクトで、当社のIT人材がこれまでの仕事ぶりを顧客のユーザー企業や開発パートナーに伝えやすくなる」と期待する。

 さらに深松氏は、自社の人材育成の促進にも生かしたい考えを持つ。「自社の資格を取得することが企業認定の仕組みで国際資格の取得へと結び付き、ひいては世界での仕事につながる。この点を伝えることで社員の成長意欲を高めたい」(深松氏)。

課題は「新しい分野のプロ」の認定

 国際資格となったCITPは、今後日本のIT人材の多くが目標にするような有力資格となるだろうか。その鍵を握る課題は2つある。1つは認知度の向上、2つめは新しい分野のIT人材をいかに認定するかだ。

 CITPの資格保有者は前述の通り2018年2月末時点で約7400人。情報処理学会の旭氏は「100万人とされる国内のIT人材の人数や、情報処理技術者試験の合格者数を踏まえれば、まだまだ少ない」と話す。その要因を旭氏は、資格がまだ認知されていないからだと見る。今後は認知度の向上を図り、認定資格者や認定企業の数を増やしていきたい考えだ。「できるだけ早く2万~3万人まで資格保有者を増やしたい」(旭氏)という。これには、既存の資格保有者が認定通りの成果を上げることで、周知を広げていくことも重要だろう。

 2つめの新しい分野とは、人工知能(AI)、クラウド、IoT(インターネット・オブ・シングズ)などのこと。これらの分野で業務実績があるIT人材へのニーズは今まさに高まっている。一方、現状のCITPは、「従来型のシステム開発を担うプロを想定した制度にとどまっている」と旭氏は打ち明ける。

 例えば、CITPでは知識の水準を確認する手段としてIPAの高度試験を利用する。高度試験はAI、クラウド、IoTといった新しい分野に絞っているわけではないので、これらのプロとしての知識を確認する手段として適しているとは言えない。そこで新分野のIT人材については、IPAの試験にこだわらずに様々な手段を検討していくという。