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安全対策は準備済み

 自動運転のレベルが3、4、5と上がると、EPSの安全性への要求も高まる。ただ、具体的な要求水準は自動車メーカーによって異なる。これに対し、同社は「どのような水準の要求があっても対応できる体制を整えた」(同氏)と言う。自動車用の機能安全規格であるISO26262への対応に加え、独自の安全性基準「JFOPS(JTEKT Fail-OPerational System)」を定め、それに必要な回路設計概念を整備した。

 例えば、レベル2~3の自動運転を想定するJFOPS「3」対応のEPSは、モーターの巻線(コイル)を2グループに分け、駆動回路も2重化し、どちらか一方が故障しても50%の出力でステアリング操作をアシストできる。レベル3~5の自動運転を想定するJFOPS「4」対応のEPSは、モーターのコイル、駆動回路、マイコン、電源など、すべてのハードウエアを2重化している。これは2019年に出荷できるという。

自動運転のレベルとJFOPSの関係
自動運転のレベルとJFOPSの関係
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 電源の2重化に関しては、Liイオンキャパシターの開発も進めている(関連記事:100℃対応リチウムイオンキャパシター、ジェイテクトが19年に量産へ)。2重化する電源の片方をLiイオンキャパシターで置き換えることで、故障時にも20~30秒間はEPSを動かせる。LiイオンキャパシターをEPSの補助電源として利用し、より大きな出力を生み出すことで大型車に利用することもできる。

Liイオンキャパシターを使ったEPS用の補助電源システム
Liイオンキャパシターを使ったEPS用の補助電源システム
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 実際の採用事例はまだないものの、「引き合いは非常に多い」(同氏)という。Liイオンキャパシターで車載グレードの耐熱性を実現したことが高く評価されている。どのような手法で耐熱性を高めたのかは公表していないが、「材料開発部門と生産設備部門が共同で取り組んだ成果だ」(同氏)という。Liイオンキャパシターの生産ラインは2018年内に構築する。Liイオンキャパシターを使ったEPS用の補助電源システムは2021~2022年の量産を目指す。