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 化粧品や健康食品などで認知度が高いディーエイチシー(DHC)には「ヘリコプター事業部」が存在する。機体の販売は手掛けずに、観光や重要顧客(VIP)の送迎、空撮などを目的としたチャーター機の運営事業を展開する。同社の年間売上高は約1000億円。そのうちヘリ事業の割合は1%未満と“小兵”であるが、成長への期待は大きいようだ(図1)。

図1 ディーエイチシー(DHC)「ヘリコプター事業部」が所有する機体
図1 ディーエイチシー(DHC)「ヘリコプター事業部」が所有する機体
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 「創業者である吉田嘉明会長が個人でヘリを所有していた。外部企業にヘリの維持管理を依頼するよりも、自社で手掛けた方がコストを削減できると踏んだ」——。DHCヘリコプター事業部営業課の渡辺精一氏は事業化の経緯をこう明かす。

 DHCの歴史は事業多角化と共にある。同社は1972年に創業。当初は大学の研究室向けの委託翻訳業務を生業とし、そこから社名をD(大学)・H(翻訳)・C(センター)と名付けた。その後、1980年には化粧品の製造販売、1983年には通信販売、1992年には出版事業や教育事業を開始。2008年にヘリコプター事業を始めた。現在では(1)化粧品の製造販売、(2)健康食品の製造販売、(3)医薬品・遺伝子事業、(4)アパレル・インナーウエア事業の四つを中核に展開している。

 開始して10年が経過するヘリ事業を、営業課の渡辺氏は「そんなに簡単には儲からないビジネス」と振り返る。維持管理コストの削減を目的に事業化に踏み切ったものの、高収益化への道のりは遠い。「特に、格納庫の確保が難しくなっている」(渡辺氏)。都心部におけるヘリの利用を考えると、東京都江東区の東京へリポートしか選択肢がなく、格納庫の箇所も限られてくるという。格納庫の利用価格はおのずと高くなり、ヘリ事業の利益を圧迫する。