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 ならコープの人事部門である人事総務部もシステム刷新の必要を感じていた。人事発令や給与、労務管理などの担当者が個別にExcelやAccessを使ってデータを処理しており、「データの一貫性に欠けていた」と仁禮氏は話す。労務管理の規定変更や人事異動が生じると回覧板で関係者に知らせていたが「情報が抜け落ちたり、タイミングが遅れたりすることがあった」(仁禮氏)。

業務支援本部統括の仁禮雅子執行役員
業務支援本部統括の仁禮雅子執行役員
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 人事給与システムは導入から約10年が経っており、構築時のメンバーは人事総務部に残っていない。このためシステムの使い方が継承されておらず、担当者はデータを自分のPCに落として、Excelなどで扱うやり方が常態化していたという。

 仁禮氏は「データがバラバラの状況をきちんと整理したい。職員番号を入れると、その人に関わる情報をひも付けて参照できる仕組みが必要だ」と強く感じていた。ならコープは2018年4月から役割等級の考え方などを取り入れた新たな人事制度を導入する計画で、「そのタイミングに合わせてシステムを刷新したい」(仁禮氏)と考えていた。

AIに魅力、承認を得るのに苦労

 仁禮氏が人事総務部、鈴木氏が経理財務部のマネジャーに就任したのはほぼ同時期の2016年。他部門から異動してきた両氏は「部門の業務改革が必要。そのためにシステムを刷新すべき」と問題意識を共有した。

 仁禮氏と鈴木氏は議論を重ね、「予算と給与は密接な関係にある」などの理由で会計システムと人事給与システムを同時に刷新するのが得策と判断。2016年10月ごろから製品選びに取りかかった。

 その過程でワークスアプリケーションズのERP(統合基幹業務システム)製品であるHUE(ヒュー)を知った。利用ログなどを学習した結果を使い、利用者に作業の進め方を先回りして提示するサジェスト機能や、OCR(光学式文字読み取り)とAIを組み合わせた認識機能などを備える。