日産自動車が2018年3月1日に発売した中型ミニバン「セレナe-POWER」は、2個のファンを使って電池パックを冷却する性能を高めた。電池パックの温度上昇を抑えて電池の性能を維持する。
セレナe-POWERは、小型車「ノートe-POWER」と同じシリーズ・ハイブリッド・システムを登載する。モーターとリチウムイオン電池、インバーターで構成する電気自動車(EV)のパワートレーンに、排気量1.2Lで直列3気筒のガソリンエンジンと発電機を追加したものである。エンジンで発電機を回して発電し、その電力でモーターを駆動させて走行する。
ノートの場合、1個のファンで電池パックを冷やす。ファンは電池パックの後方側面に装着する。これに対してセレナは、EV走行距離(モーターだけで走行できる距離)を伸ばすため、リチウムイオン電池の容量をノートの1.5kWhから1.8kWhに増やした。その結果、セルの数はノートの80から96に増え、電池パックの寸法はノートのものより大きくなった(関連記事:日産、e-POWERをミニバン向けに改良)。
セレナの電池パックはノートのものより温度が上昇しやすくなるため、ファンの数を2個に増やして電池パックの左右側面に取り付けた。充放電時に電池に負荷がかかると、電池の温度が上昇する。温度が上昇すると、電池の性能低下が早くなる。電池の温度が60℃以上になると2個のファンを動かして、電池パックの温度を下げる。