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 東芝は、音声対話AIの発話内容を従来と比較して容易に変更できる技術を開発した。大型の商業施設などの音声案内システムに向ける。同技術により、対話システムの専門知識を持たない店舗の従業員などの現場の管理者でも店舗のセール情報などを基にしてAIの案内内容を変更できる。同技術を同社のAI基盤「RECAIUS(リカイアス)」に組み込み、2019年の提供開始を目指す。

 開発したのは、推薦する度合い(オススメ度)に対して対話シナリオを自動的に変更する技術。セール情報などを基に店舗や商品に設定したオススメ度に合わせて音声対話AIは自動で対話シナリオを変更し、ユーザーとの会話の中でオススメ度の高い商品や店舗が紹介される回数を自然に増やす(図1)。

図1 店舗や商品のオススメ度に応じて対話のシナリオを自動で変更する
図1 店舗や商品のオススメ度に応じて対話のシナリオを自動で変更する
(図:東芝)
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 対話シナリオの生成には強化学習を利用する。強化学習はAIの示した結果に対して報酬を与え、その報酬が最大化するようにAIが自らの行動を学習する機械学習の1つ。今回の学習に利用する報酬は、オススメ度に基づいた報酬と、システム利用者の満足度に基づく報酬を組み合わせた(図2)。オススメ度を変えて再学習する場合、案内の開始から終了までを1回の対話として、1万回の対話が必要になるという。

図2 複数の報酬に基づいて強化学習を行う
図2 複数の報酬に基づいて強化学習を行う
(図:東芝)
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 今回の技術を導入したショッピングセンター向けの店舗案内システムと、従来のシステムを比較したところ、1000回の案内の中でオススメ度を高くした店舗の紹介回数が250回から300回に増加した。一方で、ユーザー満足度は従来と同等であったという。