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 日本ユニシスと米マイクロソフトがクラウド版の銀行勘定系システムを開発していることが2018年3月16日までに日経FinTechと日経コンピュータの取材で分かった。北國銀行(石川県)が採用を決めたほか、複数の地方銀行が導入を検討している。稼働は2020年前後の見通し。高い信頼性と処理性能が求められる銀行の勘定系システムをクラウド上で動かすのはネット銀行を含め国内初となる。

 マイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Azure(アジュール)」上で日本ユニシスが開発した勘定系システム「BankVision」を動かす。オンライン処理などの制御に必要なミドルウエアは日本ユニシスが開発する。

 クラウド上で動かすことで銀行は預金量の増減に柔軟に対応しやすくなる。ハードウエアやソフトウエアの更改作業が不要になるほか、サイバー攻撃などへの対策も取りやすい。クラウド勘定系は災害対策の機能も備えるため、システムの維持費用は3割以上安くなる見通し。北國銀行はこれらのメリットを総合的に判断していち早く導入を決めたようだ。

 日本ユニシスはマイクロソフトのOS「Windows Server」とデータベース管理ソフト「SQL Server」で動作する勘定系システムのBankVisionを2007年5月に稼働させており、北國銀行や百五銀行(三重県)など地方銀行10行が採用している。北國銀行はBankVisionを2015年1月から利用しており、更改のタイミングが合ったことも決断の追い風となったもよう。

北國銀行の本店
北國銀行の本店
(出所:北國銀行)
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 クラウド上で勘定系システムを動かせば、API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を使ったシステム連携による新しい金融サービスの開発や、大量データを基にした顧客の嗜好分析などを進めやすい。日本ユニシスはBankVisionの導入行にクラウドへの切り替えを促すとともに新規受注を狙う。マイクロソフトは銀行の勘定系にも選ばれたとの実績を武器に、基幹系の用途で幅広い業種の企業にAzureを売り込む。

 一方、北國銀行は2017年6月から、マイクロソフト、ベンチャー企業のFIXERと共同でAzure上で稼働させるインターネットバンキング(IB)「北國クラウドバンキング」の開発を進めている。正式な稼働は2019年を予定しており、当初は個人向けIBから始めるもようだ。

 北國銀行はAzure上での勘定系システム、IB、CRM(顧客関係管理)システム、サブシステムの運用を目指し、オンプレミス環境のシステムは極力減らしていく考え。