京都大学発の電気自動車(EV)ベンチャーであるGLMは2018年3月7日、新型のEV用プラットフォーム(PF)を開発し、他の自動車メーカーやIT企業などに提供する方針を発表した。完成車事業からPF事業に軸足を移す。同年4月から新たな組織を立ち上げ、事業拡大に向けてギアを上げる(図1)。
新型PFは同社にとって第2世代にあたる。同社のPFは、骨格やシャシー、サスペンションなどで構成する車台部分と、モーターやインバーター、電池などで構成するパワートレーン部分を組み合わせたものだ(図2)。
特に開発に力をいれるのは、EVの性能を大きく左右するパワートレーン部分である。これらを制御するシステムの開発も同時に手掛ける。今後は、先進運転支援システム(ADAS)や車載ソフトウエアを段階的に更新するOTA(Over The Air)など、IT分野の需要に応えるために準備を進める考えだ。
EVの開発競争は世界的に拡大し、自動車メーカーや部品メーカーをはじめ、素材や化学、IT企業などのプレーヤーが、独自の技術を生かしてEV事業に乗り出そうとしている。性能の根幹を成すPFをGLMのような外部企業から調達できれば、内外装やシステムなどの設計・開発に集中できる。開発の期間を短くしたり、低コストで実現できるようになったりする。