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 東レは2018年3月22日、従来に比べてエネルギー吸収性が約4倍と高く、15%を超える破断伸びを持つガラス繊維強化ポリアミド(PA)を開発したと発表した。繊維による強化で硬さと強度を維持する一方、強い衝撃を受けても割れにくい。「自動車のバンパーの内側などにある衝撃吸収材として使えば、金属材料と同等の性能を持つ部品を造れる」(同社化成品研究所樹脂研究室研究主幹の小林定之氏)と、金属材料の代替を狙う。内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の一環として開発しており、2020年ごろからサンプル出荷、2023年をメドに発売したいという。

 新材料は成分として、ドーナツ状の分子の穴にひも状の長い分子が貫通する「ポリロタキサン」を含む。ポリロタキサンはドーナツ状の分子がひも分子に沿って移動できるのが特徴で、このような構造を持つ樹脂材料を「環動ポリマー」と呼ぶ(図1)。1本のひもには複数のドーナツ状分子が付いており、このドーナツ状分子のいくつかを樹脂の母材、他のいくつかをガラス繊維に結合させれば、母材とガラス繊維の間のミクロなズレを許し、衝撃時にエネルギーを多く吸収できるようになる。

図1 ポリロタキサンの分子と、それを利用した樹脂材料(ポリマー)
図1 ポリロタキサンの分子と、それを利用した樹脂材料(ポリマー)
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