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 「実験を継続する前に事故から学ぶため」──。米エヌビディアCEO(最高経営責任者)のジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏は、米国サンノゼで開催中の開発者会議「GPU Technology Conference(GTC)2018」の会場において、自社で行っていた自動運転車の公道実験を中断した理由についてこのように述べた(図1)

図1 エヌビディアCEOのジェンスン・フアン氏
図1 エヌビディアCEOのジェンスン・フアン氏
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 フアン氏の発言は、自動運転技術で提携する米ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)の自動運転車が、公道実験中に死亡事故を起こしたことを受けたものである。同氏は2018年3月27日(米国時間)に行ったGTC2018の基調講演では、自社の新製品や新技術の紹介に終始し、ウーバーの死亡事故には一切触れなかった(関連記事)。基調講演終了後に行われた質疑応答の場で、記者団の質問に答えた。

 ウーバーの死亡事故についてフアン氏はまず、「悲惨で悲しい出来事」と述べた。その上で、「当社は現時点で、アリゾナ州で何が起こったのかを正確に把握できていない」とした。一方、提携先のウーバーに対しては、「同社には優秀な技術者がたくさんいる。何が起こったのかを正確に理解する機会を同社に与えるべきだ」と指摘した。それまでは、同社に対するコメントは留保するという(図2)

図2 「実験の継続よりも事故から学ぶため」と言う
図2 「実験の継続よりも事故から学ぶため」と言う
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