女性に人気の写真投稿サイト「Instagram(インスタグラム)」で人気が出る「インスタ映え」するよう投稿内容を自動調節するサービスが始まる。サイバーエージェントの子会社でデジタルマーケティング事業を手掛けるサイバー・バズが2018年夏にも開始する。人気投稿の写真や腕の良い運用マネジャーのスキルをAI(人工知能)に学ばせ、狙った層に「うける」ハッシュタグや写真の選定を自動化する。
狙いは優れたハッシュタグの量産による業務効率化と、人が気付かないヒット作を見つける品質向上だ。デジタルマーケティングに取り組む企業にとって、インスタグラムの活用は重要なテーマだ。サイバー・バズの新サービスは、インスタに集まる女性の心をAIでつかめるかどうかを占う意味でも注目に値する。
サイバー・バズの新サービスは、「#」から始まるメッセージ分類用単語であるハッシュタグを、AIで自動的に選別する仕組みだ。インスタグラムに投稿された写真に付随する様々なデータをAIで分析。インスタ映えする投稿、つまり利用者の評価が高くインスタグラム上で話題になる投稿を作りやすくする。分析対象のデータはハッシュタグの内容と投稿された写真画像、投稿についたフォロワー数や「いいね!」の数、コメント数などだ。
投稿者の属性や過去の実績も分析対象だ。特に重視するのが「インフルエンサー」と呼ぶ人気の投稿者。同社はインスタグラムのフォロワー数が1万人以上のインフルエンサーを900人規模で組織しており、1人で7万人超の規模のフォロワーを持つインフルエンサーを社員としても抱えている。インスタグラムをマーケティングに使いたい顧客企業の要望に応じてインフルエンサーを選び、商品を使っている様子の写真などを投稿してもらうことで、顧客企業から広告料などを受け取る。
各インフルエンサーは化粧品やファッション、グルメなど得意分野を持つ。サイバー・バズは得意分野と過去の実績をAIで分析して、「このインフルエンサーならこのハッシュタグ」といった具合によりインスタ映えするハッシュタグを選べるようにする。
インスタ映えする写真も自動選択へ
サイバー・バズは現在、AIを使った新システムの性能をA/Bテストで検証している。同じ投稿に対してAIが選んだハッシュタグと人間のマーケティング支援担当者が選んだハッシュタグを使い分けて、どちらが高い評価を得るかを調べる。