米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の日本法人アマゾンジャパンは、同社のクラウドベースの対話型AI(人工知能)「Alexa(アレクサ)」に対応するAIスピーカー(スマートスピーカー)「Amazon Echo」シリーズを日本で一般向けに販売開始した。2018年3月30日から同社のECサイト上で予約受付を開始し、2018年4月3日に出荷を始めるほか、日本全国の家電量販店でも4月3日に販売を始める。これまで同社は、日本では2017年11月からEchoを招待制で販売していた(関連記事:「アマゾンEcho、265種の「日本専用サービス」率い国内上陸」)。
販売開始した製品は、標準モデルの「Amazon Echo」と小型の「Amazon Echo Dot」、スマートホーム向け機能を搭載する上位モデル「Amazon Echo Plus」である。今回一般販売にこぎ着けた経緯について同社は、「11月の招待販売開始から4カ月間にわたって日本のユーザーの実際の対話データを集め、Alexaの日本語の理解力向上や日本向けの機能強化を達成できたため」(Alexa Experience & Devices シニア・マネージャーのカレン・ルービン氏)と説明する。
具体的には、日本のユーザーが話しかける内容や興味の対象を解析し、「春の俳句を詠んで」のような日本人ならではの問い掛けに対応できるようにした。他にも、年齢や性別、地域など個人によって異なる呼び掛けへの対応も可能にした。例えば、Echoで再生している音楽を止めたいとき、当初対応していた「止めて」「ストップ」だけでなく、「もういいよ」などの呼び掛けでも停止できるという。
報道陣向けに開催した説明会では、11月の発売以降に日本での提供を解禁したEchoの機能のデモも披露した。例えば、家の中にある複数のEchoで音楽ストリーミングを同期できる「マルチルームミュージック」や、同社の電子書籍(Kindle本)をAlexaが読み上げる機能、「照明をつける」「ニュースを流す」「天気予報を知らせる」などの一連の日課を事前に登録した音声コマンドで実行する「定型アクション」などである*1。
*1 現状日本では未対応の機能もいくつかある。例えば米国では、複数のユーザーの声を聞き分ける「Voice Profile」や、Echo間での無料音声通話が可能な「Alexa Calling and Messaging」などの機能を先行提供している。日本での提供予定は明らかにしていない。