日産自動車は可変圧縮比(VCR:Variable Compression Ratio)エンジンを新型セダン「アルティマ」に搭載する(図1、2) 。VCRによって燃費性能と動力性能をともに大きく高める。「ニューヨークモーターショー」(一般公開日:2018年3月30日~4月8日)で新型車両を披露。2018年秋の米国発売を皮切りに、世界の他市場にも順次投入する計画だ(関連記事:可変圧縮比の全貌、日産が狙う発電エンジンへの布石)。

図1 日産の新型セダン「アルティマ」、斜め前から
図1 日産の新型セダン「アルティマ」、斜め前から
[画像のクリックで拡大表示]
図2 斜め後ろから
図2 斜め後ろから
[画像のクリックで拡大表示]

 アルティマでは2種類のパワートレーンを用意し、その一つがVCRを搭載したエンジンとなる。日産が世界初として開発したVCRは、ピストンを支持するコンロッドに代わって備えた3本のリンクとモーターで、ピストンの上下位置を動かして圧縮比を変える仕組み。同機構を採用した排気量2.0Lで直列4気筒のターボ搭載直噴ガソリンエンジン「MR20DDT」では、圧縮比を14から8の範囲で無段階に変えられる(図3)。燃焼効率を重視したいときに圧縮比を上げ、トルクを大きくしたいときに圧縮比を下げる(関連記事:独自の複リンクに多くの狙い)。

図3 可変圧縮比(VCR)を搭載した直列4気筒の直噴ガソリンエンジン「MR20DDT」
図3 可変圧縮比(VCR)を搭載した直列4気筒の直噴ガソリンエンジン「MR20DDT」
[画像のクリックで拡大表示]

 同エンジンの最高出力は200kWで、最大トルクは390N・m。2018年春に高級車ブランド「Infiniti」から発売を予定するスポーツ・ユーティリティー・ビークル(SUV)「QX50」に続いて2車種目の搭載となる。日産の主力であるMRシリーズエンジンの中でも旗艦モデルにあたる。今後、あと数車種に同エンジンを水平展開する計画のようだ。搭載車種を増やすことでエンジンの生産台数を増やす。VCR機構のコストを削減して、低価格帯の車両にも技術を広げやすくする。