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 ホンダ系部品メーカーのケーヒンは2018年4月5日、自動車向け電子制御システムの設計・開発を担う新拠点「台場R&Dオフィス」の開所式を開催した。主にエンジン制御システムや電動車の電力制御システムなどを開発する。

ケーヒン社長の横田千年氏
ケーヒン社長の横田千年氏
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 新拠点の開設により、ケーヒンの国内R&D拠点は4つに増えた。(1)栃木県塩谷郡の「栃木オフィス・栃木開発センター」は本拠地であり、開発の中枢を担う。(2)宮城県角田市の「宮城オフィス・角田開発センター」は最先端の技術を扱う。主に東北大学との共同研究などを行う。(3)宮城県仙台市の「ケーヒンエレクトロニクステクノロジー」はソフトウエア開発拠点である。「V字プロセス」と呼ばれる開発工程のうち、中間付近を担う。(4)今回開設した東京都江東区の台場R&Dオフィスは、V字プロセスのうち、アルゴリズム開発などの「上流側」を主に担当する。

 同社は数年前から開発の「上流化」に向けた取り組みを進めてきた。これまでは自動車メーカーが設計した制御アルゴリズムに基づいて、実際のソフトウエアを開発する下請け的な業務が中心だった。今後は自動車メーカーの要求を解釈し、制御アルゴリズムを自ら開発・提案することで、より付加価値の高い業務を担う。そのためには「ソフトウエア開発のスキルに加えて、エンジンなどの物理的な挙動を熟知した技術者が必要」(ケーヒン社長の横田千年氏)とする。

 同社は2017年4月に新宿の本社に一部の技術者を集めて上流設計の取り組みを進めてきた。その際、制御システムの設計・開発を手がけるプログレス・テクノロジーズと共同で開発プロジェクトを進めてきた。この取り組みが順調に進んでいるほか、顧客からの受注も好調なことから、今回プログレスが入居するダイバーシティ東京オフィスタワーに新R&D拠点を開設した。技術者の数は現在、ケーヒンとプログレスがそれぞれ10人の計20人である。5年以内をめどに「50人規模まで拡大したい」(同氏)という。

 なお、プログレスとの協業は得るところが大きく、「一緒に仕事をする中で、ケーヒンの仕事のやり方を変えてくれたりする」(同氏)。こうした副次的な効果が意外に大きいという。

 もちろん、新拠点で優秀な学生を集めたいという狙いもある。「デンソーやアイシン精機など知名度の高い部品メーカーに比べると、当社は人材獲得面では苦労している」(同氏)と言う。しかもケーヒンは勤務地が宇都宮など、首都圏からやや遠い。「お台場というクリエイティブな環境に拠点を設けることで、優秀な人材の獲得につなげたい」(同氏)とする。

R&D拠点の様子
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