ロームは2018年4月10日、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体に関する事業戦略説明会を開催した。2024年度(2025年3月期)までに累積で約600億円の設備投資を行い、SiCパワー半導体の生産能力を2016年度に比べて約16倍に高める。
SiCパワー半導体の市場規模は、電気自動車(EV)へのSiCの採用動向によって予測値が大きく変動する。ロームが自動車メーカーからの要求などを基に予測した結果では、「2025年に23億ドルの市場規模になる」(同社専務取締役の東克己氏)という。同社は2025年に業界首位となる市場シェア30%の獲得を目指しており、そのためには今回のような生産能力の増強が必須とした。
その一環として同社はSiCパワー半導体の前工程工場として、ローム・アポロ(本社:福岡県)の筑後工場に6インチのSiC新棟を建設する。延べ床面積は1万1000m2で、2019年2月に着工し、2020年12月に竣工する予定である。生産能力は6インチで月間5000枚とする。製造装置は6インチと8インチの両方に対応させる。「国内に前工程の新棟を建設するのは12年ぶり」(東氏)とする。