他社システムとのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)連携によって、自社システムの機能を迅速に拡張する動きが進んでいる。国内では、セブン銀行や第一生命保険、JTBなどがAPI連携に熱心だ。
セブン銀行はインターネットバンキングのシステムを、フィリピン最大手銀行BDO UnibankやFinTech関連企業ドレミングのシステムとAPI連携させ、スマートフォンアプリでの海外送金機能やリアルタイム給与振り込み機能を短期に実現した。
第一生命保険は、健康関連のスマートフォンアプリ「健康第一」のサーバーシステムを、外部3社のシステムとAPI連携させることにより、4カ月で開発した。歳をとった自分の顔画像をシミュレーション表示する「FaceAI」と呼ぶ機能はテック・パワーのシステムと、歩数計測の機能はパナソニックシステムネットワークスのシステムと、クーポン発行・交換の機能は電通のシステムとそれぞれAPI連携させて実現している。
JTBは訪日外国人旅行者向けの観光支援スマートフォンアプリ「JAPAN Trip Navigator」のサーバーシステムで、無料Wi-Fi(無線LAN)、タクシー配車、レストラン予約の機能を、他社システムとのAPI連携により実現する計画を打ち出している。
セブン銀行、第一生命保険、JTBの3社はいずれも、他社システムとのAPI連携に、米マイクロソフトのクラウドサービスMicrosoft Azureを使う。それはどんなものか。セブン銀行の事例を詳しく紹介する。
クラウドを使ったAPI連携でセキュリティ確保が課題に
セブン銀行がAPI連携による機能拡張を行った理由として、平鹿一久システム部ITプラットフォーム室次長は「開発スピードの向上が必要と感じていた」と話す。