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 中国のインターネット通販(EC)最大手、アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長は、2018年4月25日に都内の早稲田大学で講演した。ニューラルネットワークなど人工知能(AI)関連の演算に特化した半導体(AIチップ)を独自開発することを明言。「クラウド中心の時代において、高速処理が可能なチップが必要。そのためには内製化が欠かせない」とAIチップの開発に着手する理由を語った。

講演をするジャック・マー会長。大きなジェスチャーとユーモアを交えて会場を沸かせた
講演をするジャック・マー会長。大きなジェスチャーとユーモアを交えて会場を沸かせた
(写真:的野 弘路)

 チップの内製化という判断の背景にあるのは、半導体チップの米国依存への危機感だという。「中国のチップ市場は米国によってコントロールされてきた。それに慣らされてきた」(馬会長)。

 中国と米国のIT産業は緊張関係が続いている。米商務省が4月16日に米企業に対して中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)との取引を今後7年間禁じることを決めた。イランや北朝鮮に対して製品を違法に輸出していたとし、それを問題視した形だ。馬会長は「ZTEの件など政治的なことは関係ない。(AIチップ参入発表の)タイミングは偶然」としつつ、「今後(半導体を)米国が売ってくれなくなったらどうするのか。中国も日本も独自のコアテクノロジーを持つべきだ」と警鐘を鳴らした。