レノボ・ジャパンは2018年4月24日、VR(仮想現実)用一体型ヘッドマウントディスプレー(HMD)の「Lenovo Mirage Solo with Daydream」(以下、Mirage Solo)の国内販売を発表した(関連記事)。頭の動きに加えて体の前後左右上下の動きも認識する6DoF(6 Degrees of Freedom)に対応。PCやスマートフォンへ接続せず単体で動作するスタンドアロン型で、既存のVR用HMDのようなケーブルが不要なので、VR空間内を自由に歩き回ることができる。発売日は同年5月11日で、同年4月24日から予約の受付を開始。価格は5万1200円(税別)。
Mirage Soloは2018年1月に米ラスベガスで開催された家電見本市「CES 2018」で発表されたHMDだ。世界と日本で同年5月11日に同時発売となる。米グーグル(Google)のモバイルVR向けプラットフォーム「Daydream」に対応した一体型HMDでは世界初の製品である。世界初となったのは、グーグルのパートナー企業として以前から開発を続けてきたからだ。
グーグルは2017年5月に開催した開発者会議「Google I/O 2017」で、Daydream対応の一体型HMDを開発しているパートナー企業として、台湾HTCと中国レノボ(Lenovo)を挙げていた。この発表後にレノボが開発を続けていたのが今回のMirage Soloである。一方のHTCは既にDaydream対応の一体型HMDの開発を中止し、その代わりにHTC独自のモバイルVR向けプラットフォーム「Vive Wave」に対応した一体型HMD「Vive Focus」を開発。現在は中国国内だけで販売されているが、2018年内には全世界に発売するという。
Mirage SoloとVive Focusは、どちらもチップセットに米クアルコム(Qualcomm)の「Snapdragon 835」を搭載し、6DoFのポジショントラッキングに対応している点は同じだ。違いは、Vive Focusが2880×1600画素の有機ELディスプレーを搭載していること。Mirage Soloが搭載する2560×1440画素のLCDディスプレーに比べて、解像度が高い。加えて、Vive Focusは瞳孔間距離(IPD)を調整可能なハードウエアを備えているが、Mirage SoloはIPD調整機能を搭載していない。
Mirage Soloが優れている点は、日本で手に入ることと、価格である。Vive Focusは日本でまだ発売されておらず、中国国内でしか販売されていない。価格を比べてもVive Focusは3999元(約7万円)なのに対し、Mirage Soloは51200円(税別)と2割以上安い。さらに、Mirage SoloはDaydreamに対応することで利用できるコンテンツが多くなり、従来のVRアプリケーション開発者が対応しやすいことも利点となる。