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 みずほ銀行は、行内で利用するデータ分析基盤をクラウドに移行することを本格的に検討している。多くの部門が共同利用するデータウエアハウス(DWH)に、性能面での問題が顕在化してきたのが理由である。

 2018年3月にグーグルが提供するGoogle Cloud Platform(GCP)のDWHサービス「BigQuery」を検証し、データ分析にかかるコストが従来の3分の1から4分の1になると試算。約7割のコスト削減と、上々の手応えを得た。ただしGCP一本に決めたわけではない。他のクラウドベンダーの動向もにらみながらクラウド化を進める考えだ。BigQuery活用の経緯と検証結果、クラウド活用構想を見よう。

BigQueryの日本上陸が後押し

 オンプレミス(自社所有)環境にあるみずほ銀行のデータ分析基盤は、利用者が集中した際のパフォーマンス劣化が課題になってきた。「100近い部門、1000人に上る利用者がデータ分析基盤に集まってくる。特に朝は多重度が上がって、コンビニやエレベーターのように込み合っている」(みずほ銀行 個人マーケティング推進部 データベースマーケティングチーム 参事役の黒須義一氏)。

左から、みずほ銀行 個人マーケティング推進部 データベースマーケティングチーム 参事役の黒須義一氏、福川恒夫 個人マーケティング推進部長、個人マーケティング推進部 データベースマーケティング部 データベースマーケティングチーム 調査役 山泉亘氏
左から、みずほ銀行 個人マーケティング推進部 データベースマーケティングチーム 参事役の黒須義一氏、福川恒夫 個人マーケティング推進部長、個人マーケティング推進部 データベースマーケティング部 データベースマーケティングチーム 調査役 山泉亘氏
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 みずほ銀行の福川恒夫 個人マーケティング推進部長は、システムの性能不足が利用者の仕事に与える悪影響を懸念する。「分析基盤が混んでいるのでトライ&エラーがやりづらい。分析処理を回すのが面倒くさくなり、担当者が考えなくなってしまうのが恐い」。

 現在のデータ分析基盤は、複数のサーバーを並べたアーキテクチャーで構成する。システム増強は可能だが、ピークに合わせてリソースを用意するとなるとコストがかさむので、そう簡単にはいかない。

 クラウドなら必要なときに必要なだけリソースを調達できるので、ピークを意識することなくリソース需要を満たせる。こうした狙いでBigQueryの試用に手を挙げたのが、利用部門の1つである個人マーケティング推進部だ。「2018年2月にグーグルとIT部門にかけ合って、3月中旬にプロジェクトをスタート。IT部門のメンバーと二人三脚で、短期間のうちにクラウド上にテスト環境を組み上げた」(黒須氏)。

 グーグルのサービスを選んだ理由を黒須氏は「いろいろなクラウドベンダーに声掛けしたなかで、迅速に動いてくれて、親身にPoC(概念検証)を手伝ってくれたのがグーグルだった」と明かす。東京リージョンでBigQueryの提供開始が近づいていたのも、採用を後押しした。先行ユーザー向けのテスト枠が空いていると聞き、「ぜひエントリーさせてほしい」と申し出た。BigQueryは2018年4月に東京リージョンでも利用可能になった。