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 イスラエル・モービルアイ(Mobileye)の最新画像処理チップ「EyeQ4」が中国で世界初採用となったことが分かった。中国の電気自動車(EV)ベンチャー蔚来汽車(NIO)が、2017年12月に発売した「ES8」に搭載した(図1)。

図1 Mobileyeの画像処理チップ「EyeQ4」を搭載するNIOのEV「ES8」
図1 Mobileyeの画像処理チップ「EyeQ4」を搭載するNIOのEV「ES8」
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 Mobileyeは2017年の時点で世界27の自動車メーカーの313車種に画像処理チップ「EyeQ」シリーズを供給している。従来品の「EyeQ3」までは欧州メーカーに「世界初採用」を与えてきた。第4世代となるEyeQ4でついに、その序列が崩れた。

 EyeQ3は単眼カメラ向けで、国内だけでも日産自動車やマツダが採用している。最新版のEyeQ4では、3眼に対応し、これまで以上の性能が期待される。

 自動ブレーキや自動運転向けセンサーはこれまで「単眼カメラもしくはステレオカメラ」が常識だったが、今後は「3眼」という流れが出てきそうだ。

中国市場にこそ最新技術

 NIOのES8の価格は44万8000元(1元=17円換算で約762万円)と、中国では米テスラ(Tesla)の「モデルX」の半額で購入できる。NIOは2014年に創業したばかりの新参者だが、自動車業界からの評価は高い。

図2 EyeQ4の外観。伊仏合弁STマイクロエレクトロニクスが製造を担当
図2 EyeQ4の外観。伊仏合弁STマイクロエレクトロニクスが製造を担当
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 「中国メーカーは着々と実力を付けているし、クルマを評価する消費者の目も厳しい。昔は一世代前の機能を載せておけばよかったが、最新技術を投入していかないと勝負できなくなってきた」――。

 ある日系自動車メーカーの中国担当役員はこう打ち明ける。潮目の変化が形として現れたのが、今回のNIOによるEyeQ4採用なのだ(図2)。