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 規制対応と簡易ハイブリッド化で上がるコストを抑えるためにVWが打った一手が、機種数の大幅な削減だ。次世代機で、出力範囲の異なる2機種にとどめる。現行機には排気量(1.4L/1.6L/2.0L)と出力(55k~140kW)の違いで12機種あった。

次世代機は2機種のみ。VWの資料を基に作成した。
次世代機は2機種のみ。VWの資料を基に作成した。

 用意するのは100k~120kWの低出力機「LK1」と、120k~150kWの高出力機「LK2」。出力範囲は異なるが2機種の大半の部品を共通にし、コストを抑えた。異なる部品はピストンとコンロッド、ターボチャージャー、冷却系くらいとする。

 異なる部品のコストを抑える工夫も凝らす。例えば高出力機のピストンには一般的なアルミニウム合金を使う一方で、低出力機には安価な鋼鉄を使った。質量が増えて、エンジン出力を上げにくくなる。低出力機だけの採用になったようだ。

(左)低出力機用と(右)高出力機用のピストンとコンロッド。
(左)低出力機用と(右)高出力機用のピストンとコンロッド。
(左)低出力機用と(右)高出力機用のピストンとコンロッド。

 一方で鋼鉄の強度はアルミに比べて高く、ピストンを小さくできる。VWは低出力機のピストン高を高出力機に比べて低くし、その分、コンロッドの小端部と大端部の間の距離を延ばした。コンロッドが上下に動くときの横方向の変位が小さくなる。ピストンから気筒壁にかかる横力を小さくし、摩擦損失を減らせる。

 燃料噴射装置の採用にもコストを抑える意識が伺える。採用したのはドイツ・ボッシュ(Bosch)製で噴射圧が最大220MPaの最新の高圧インジェクター。VWは高価で高速噴射できるピエゾ式ではなく、安価な電磁ソレノイド式を選んだ。インジェクターの先端に8個の噴射孔を備え、1サイクルで5回噴射する。

 インジェクターの噴射時期や燃料と空気の混ぜ方など燃焼に至る過程については低出力機と高出力機で共通化し、車種を拡大するときの開発工数を抑える工夫を凝らす。

 最高出力と最大トルクについては2機種ともに従来機比9%高めた。電動VTG(Variable Turbine Geometry)ターボを採用し、過給圧を高めて実現する。低出力機には電動VTGの新世代品を採用し、効率を高めたとする。