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図3 MECを配置した携帯基地局
図3 MECを配置した携帯基地局
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 今回、基地局から半径2km圏内の車両にLTEで情報伝達した(図3)。二つの用途で検証した。記者は実験車両の後部座席に乗り込み、機能を確認した。

 一つは、先行車両が検知した道路障害物などの情報を後方車両に一斉同報で配信し、衝突回避操作を促した(図4)。

 実車に加えて10台の仮想車両を用意し、全ての車両が障害物情報を受信できることを確認した。車両間が数百m離れた見通し外の状況だった。

図4(a)落下物に見立てたコーンを道路上に置いた。道路がカーブした地点で、後方車両からは見通し外の状況だった
図4(a)落下物に見立てたコーンを道路上に置いた。道路がカーブした地点で、後方車両からは見通し外の状況だった
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図4(b)後方車両にはタブレット端末を配置し、先行車が検知した障害物の情報を受信した
図4(b)後方車両にはタブレット端末を配置し、先行車が検知した障害物の情報を受信した
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 もう一つの実験は、車両の自己位置推定の精度を高めるためのもの。GPSの誤差を補正するデータとなる電子基準点の真値を補強信号として車両に配信した。基地局の位置を車両の「おおよその位置」とみなし、補強信号を取得する。数kmごとに変わる補強信号の中から使うべきデータを特定し、車両に配信した(図5)。

図5 GPSの補強信号で誤差を1cmに(左)。補強信号がないと1.5〜2.5mの誤差が発生した(右)
図5 GPSの補強信号で誤差を1cmに(左)。補強信号がないと1.5〜2.5mの誤差が発生した(右)
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 携帯回線網を使ってコネクテッドカーを実現する方法は「Cellular V2X(C-V2X)」と呼ばれる。スマートフォンなどの通信端末で使っている携帯電話網をV2Xにも活用する。2020年ごろの実用化を目指して研究開発が進む。中国や米国、ドイツ、フランス、韓国などでも実証実験が活発になってきた(関連記事:米国初のC-V2Xサービスに向け、クアルコム、パナソニック、フォードが評価開始)。

 日本では、今回のKDDI・ノキア陣営以外も動き出している。日産自動車はドイツ・コンチネンタル(Continental)や米クアルコム(Qualcomm)などと組んだ(関連記事:日本初のセルラーV2X実証実験、日産など開始)。