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開発期間は1年未満

 開発でベースにした車両は、傘下の日野自動車がトヨタにOEM(相手先ブランドによる生産)供給している小型ディーゼルトラック「ダイナ」である。トヨタCV製品企画ZM主査の水野三能夫氏が「1年未満の開発期間で実現した」と述べるように、その開発はまさに“突貫工事”だった。ダイナの運転席空間(キャビン)やPFには手を加えず、FCスタックや水素タンク、駆動用モーターを組み込んだ(図3)。

図3 日野自動車からのOEM車両「ダイナ」をベースに開発
図3 日野自動車からのOEM車両「ダイナ」をベースに開発
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 ダイナが運転席下に搭載していたディーゼルエンジンと変速機を取り去り、同じ位置にFCスタックと駆動用モーターをそれぞれ1個搭載した(図4)。

図4 FCスタックは固体高分子形で最高出力は114kW
図4 FCスタックは固体高分子形で最高出力は114kW
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 FCスタックは2014年12月発売した乗用FCV「ミライ(MIRAI)」から流用している(関連記事:トヨタFCV発進、10年後にはHEV並みに低コスト化)。固体高分子形で最高出力は114kW。370枚のセルで構成し、体積出力密度は3.1kW/Lである。

 スタックの耐久性を高めるために、加減速時の電位変動を抑える制御技術を盛り込んだ。市街地での配送を想定して最高速度を80km/hに抑えたことも、スタックへの負荷の低減に一役買っている。トヨタとしては、12年間の利用で累計100万km以上を走行できるように、小型FCトラックの開発目標を掲げているようだ。