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 駆動用モーターは、小型FCトラックの走行特性に合わせて専用開発とした。モーターを車両前部に置くFF(前部エンジン・前輪駆動)のようなレイアウトのMIRAIに対して、開発した小型FCトラックは後輪駆動である。プロペラシャフトで後輪に動力を伝えるためには、トラックに対応した高トルクのモーターが必要と判断したようだ。

 開発したモーターはレクサスのハイブリッド車(HEV)「LS500h」のコイルや磁石を流用することで低コスト化を図っている。出力は112kWで、MIRAIが搭載していたレクサス「RX450h」の113kWとほぼ同等に設定した。

水素タンクは左右非対称に

 PF部分の左右側部に搭載していたディーゼルタンクを水素タンクに変更。左側部に2本、右側部に1本、計3本を搭載した(図5)。容積は1本あたり約60L、合計で約180Lである。水素貯蔵量は約7kgとなる。「右側部には電気を溜める駆動用電池を載せる必要があった」(水野氏)ため、左右非対称のレイアウトにした。駆動用電池はニッケル水素電池で、レクサス「GS」のHEV仕様のものを流用している。

図5 水素タンクは3本搭載、左右非対称のレイアウトとなった
図5 水素タンクは3本搭載、左右非対称のレイアウトとなった
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 タンク厚は約25mmで3層構造を成す。表層はGFRP(ガラス繊維強化樹脂)、中層はCFRP(炭素繊維強化樹脂)、そして下層は樹脂ライナーでつくった。炭素繊維は東レ製、樹脂ライナーは宇部興産製である。

 トヨタは今回の小型FCトラック以外に、同様の機構を流用したFCバス「SORA」を市場に投入している(関連記事:トヨタの新型FCVバス、二つの“日本初”で安全に)。さらに、大型FCトレーラーを米国で試験運用中だ。乗用車から商用車までFCVのバリエーションを増やすことで、FCスタックや水素タンクの生産量を稼ぐ。価格の大部分を占めると言われるこれら機構のコスト削減し、普及を促したい考えだ。

■変更履歴
本文の一部を修正しました。 [2018/06/25]