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 AI×IoTで子供の居場所を自動通知、東京ガスなど大手が売り出す――。家電ベンチャーのBsize(ビーサイズ)が開発した、AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)を使った子供見守りサービス「GPS BoT」が国内外に一気に広がる可能性がある。

GPS BoTの端末(左)とスマートフォンアプリの画面(中、右)
GPS BoTの端末(左)とスマートフォンアプリの画面(中、右)
(出所:Bsize)
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 サービスは出だし好調で、初年度に当たる2017年度の販売は当初目標の1万台を突破。2期目となる2018年度も累計販売台数が4万台を超える勢いという。販路拡大に向け2018年春に、東京ガスや中部電力、JR西日本といった大手インフラ企業と相次いで業務締結した。2018年6月15日には海外展開を見据えた初の取り組みとして、韓国での実証実験を始めた。

 見守りサービスはこれまでいくつもあった。それらとの違いについて、Bsizeの八木啓太社長は「従来のサービスは子供の現在地しか分からなかったが、GPS BoTは数分に1度の間隔でクラウドに位置情報を蓄積することで、子供の行動履歴を把握できる」と話す。GPS BoTの場合、小型端末の動きを加速度センサーが検知し、一定間隔で子供の現在地をクラウドに発信し続ける。保護者が使うスマートフォンアプリは地図サービスの「Google Maps」と連携し、過去1週間分までの行動履歴を表示できるようにした。

 行動履歴を基に、独自開発したAIが子供の移動パターンを解析する。「よく行く場所を学校や自宅であると判定し、子供の下校時や帰宅時に保護者のスマホに自動でプッシュ通知する」(八木社長)。2018年秋には異常検知の通知機能の搭載も予定する。「普段の行動パターンと異なる動きや、徒歩では考えられない速度で移動している場合、AIが異常を検知して保護者に通知する」(同)という。

通信方式の選定に苦労

 開発過程で苦労したのは、通信方式の選定だ。IoT機器の通信では低価格や省電力といった特徴を持つLPWA(ローパワー・ワイドエリア)が注目を集めるが、見守りという観点では適さなかった。「渋谷区にあるビルを10棟借り、LPWAの大規模実証実験を実施した」(同)ところ、地下や屋内だと通信が途切れてしまうと判明した。

 屋外に設置したセンサーからの定点通信とは異なり、見守り対象となる子供は様々な場所に移動する。八木社長は「見守れない場所があるのは許されない」として、屋内や地下でも通信しやすい3G回線を採用。小型端末に3G通信用のSIMカードを備えるようにした。通信コストを下げるため、電気通信事業者として独自に回線を調達している。

 子供の位置の特定手法も頭を悩ませた課題の一つだった。端末に搭載したGPS(全地球測位システム)受信機の情報だけでは、不十分だったからだ。「3Gによって通信そのものはできても、GPSではそもそも屋内や地下の位置情報を取得できない」(八木社長)。